はじめに
この記事を見る方は、これから救急救命士の資格取得ができる学校に入ろうか入るまいか考えている方だと思います。
筆者の知人の救急救命士に取材し、この資格を取得すべきか否か検討している方の判断材料の一つになればと記事を執筆しました。
救急救命士とは
消防吏員で救急車に乗車する業務をする際に、傷病者を病院に搬送するまでの間、気管挿管やエピネフリンの投与など救急救命処置を実施できるようになる国家資格です。
救急車自体には救急救命士の資格がなくとも乗車することができます。
救急車に乗車するには各自治体の消防吏員の採用試験に合格し、消防学校で救急の過程を数カ月修了することにより可能になります。
救急救命士の資格取得方法
養成課程のある大学や専門学校
養成課程のある大学や専門学校に入学し、必要な課程を修了し、国家試験に合格すれば資格を取得することができます。一般の方がポッと試験だけ受けることはできません。
専門学校は3年の課程、大学や4年ですが、1年の差であれば大学卒業の最終学歴を取得できる大学での資格取得を筆者はオススメいたします。
消防吏員の採用試験合格後に選抜され養成所に行く
消防吏員の採用試験に合格し、その後、採用された自治体の中から毎年何人か救急救命士の養成所に派遣され、資格を取得することができます。
ただし、選ばれなければ養成所に行くことはできないので、希望したからと希望者の数により派遣者に選ばれるかはわかりません。消防士になり、救急救命士になって救急車にのる仕事を必ずしたいという方は、大学や専門学校で資格を取得するという方法を選択するべきかもしれません。
救急救命士の資格取得のメリット
消防吏員として救急車に乗車する業務をする際に、スペシャリストとして活躍できます。ただし、救急救命士資格を取得している場合、消防吏員としての業務内容は救急車への乗車への専従が考えられ、その他の火事での消火活動などの機会は減ります。火事の対応もしたいと考えている方は、資格取得は控えた方がいいかもしれません。
また、救急救命士の救命処置に対する手当が付与される自治体もあります。
さらに、消防吏員の採用試験において、救命士枠が設定されているなど有利になる可能性(自治体、地域による)があります。救急救命士資格保持者が豊富な地域では有利にならないという情報もあります。
救急救命士の資格取得のデメリット
救急救命士資格は、消防吏員に採用されないとほとんど無意味な資格となります。現在の法律では、現場から病院の搬送の間にしか資格特有の行為を行うことができません。
ただし、専門的な知識はどこでも役に立ちます。2020年に病院の救急外来にて救急救命士の処置を拡大すべきという法改正の検討がされたため、今後、救急救命士資格の利用できる場が増える可能性はあります。
ですが、筆者が思うにやはり救急救命士資格は消防士として救急車に乗った時に使う資格かと思います。病院で使うのであれば、看護師資格の方が汎用性があります。
消防吏員の採用年齢は遅くても30歳です。30歳以降は消防吏員になることができません。看護師資格を所持していれば、何歳でも看護師の採用は基本可能です。
実際に、救急救命士資格ではなく、看護師資格を取っておけばよかったという学生さんの話を聞いたことがあります。
救急救命士資格の難易度
救急救命士の専門課程で3年勉強した方も、国家試験に落ちる場合があるほど難しいです。消防吏員になってから資格試験を受ける方は仕事でやっている分意識が高いため、合格率は高くなりますが、やはり試験に落ちてしまう場合はあるようです。
筆者の秘伝 消防吏員になるときに取っておく資格
消防吏員になりたいけども、救急救命士資格を取得するか迷っている方へ、救急救命士資格ではなく、看護師資格を取得した後に、消防吏員の採用試験を受けましょう。
消防士の仕事は、正直なところ24時間勤務の団体行動です。合う合わないは必ずあり、閉鎖的な空間のためパワハラも少なからずニュースになっています。
せっかく、救急救命士資格を取得しても、消防士を離職したいと考えてしまったときには宝の持ち腐れになってしまいます。
看護師資格であれば、病院や介護施設など資格の利用できる場は救急救命士資格に対して段違いに多いです。もし、消防士をやめる時も活かせる資格です。
看護師資格を持っていて、消防士になれば救急救命士資格の選抜にも選ばれやすいことは間違いありません。消防吏員になってから、救急救命士資格を取得するチャンスは間違いなくあります。
まとめ
看護師資格を取って、消防吏員の採用試験を受けるというのが、将来の選択肢を広くすることができオススメです。筆者の記事は救急救命士の専門学校に怒られそうですが…
救急救命士資格は消防士になってから取得するという手が有効かと思います。
ちなみに、消防吏員の給料ですが、日本の人口減少もあり、各地方自治体の財政は悪化の一途をたどっています。基本的に看護師の方が給料が高い傾向があると思われます。
ただし、消防吏員に憧れて消防吏員になりたいという方は給料よりも自分のやりたいことを是非選んでください。
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